甲(きのえ)が一番

2021/8/11

 十干はなぜ甲から始まるのだろう。
亀甲文字の亀の甲羅を焼いて最初現れたの形が甲だからという説があります。
皇帝の生まれた年という説も。

 十二支の始まりは陰の月が影響しているので新月から満月を経て新月という関係もあり冬至の子(ね)から始まる。
冬至は陽の生まれる時です。
場を求める九宮の始まりも陰局は夏至の陰の生まれる九紫から始まり陽局は冬至の陽の生まれる一白から始まります。

でも1年の始まりは立春の寅から始まります。
十二支の寅は甲の部下ともいえる立場です。
中国では始まりは五行の木の東からなのです。
日本でも歌舞伎や出し物の口上では「と、と、とざいとう~ざい」から始まるように東西からスタートします。
西洋では北と南が先ですから文化の違いということでしょう。
北と南をさす磁石を発明したのは古代中国なのですがなぜか西洋が先取りしたのか?
現在では北北西(NNW)といい西北北とはいわないようにです。
年配の人や占いを志している人は南西を「にしみなみ」などといったりしているのを聞いたことがあります。
太陽の昇る東が一番が十干です。
一年の始まりも立春で寅月(木の陽の月)で2月4日頃になります。
ということで東の王はきのえの甲なのです。
陰陽五行は甲から始まるため六十干も甲から始まります。
奇門遁甲では甲に特別な力を与えていますから九宮による時の場の配盤も特殊な方式三奇(乙丙丁)と六儀(戊己庚辛壬癸)を使い甲を隠した方式です。
 東洋の木の化身の青龍は幸運のシンボルですが西洋で龍(ドラゴン)は悪魔の化身サタン(ヨハネの黙示録)になります。

2010年春節香港では最初に登場するのが空を飛ぶ龍です。
2010年2月14日香港にて パレードの最初からドーンと龍の舞から始まる(龍の中から電飾の光が出る前の写真)

 青龍は雲の中にいて恵みの雨を降らすという
荒くれると稲光と轟を伴い大風と大雨を降らし大洪水を起こすという青龍
その後には上流から流れてきた肥沃な土が豊作の大地を作るという
農耕の民にとって最も大切な四神が青龍なのです。

ということで十干は東の青龍、木の陽の甲から始まるのです。