西の果てロコ岬

2023/10/13

 おれが20代なりかけのころ昭和40年代のころだが小田実の「なんでみてやろう」の旅行記を読んで触発され 極めつけは沢木耕太郎の「深夜特急」がおれの心を虜にした。
沢木幸太郎が神戸⇔上海航路の鑑真丸で上海から始まり寄り道しながら西を目指すという おれの心にグサッと入り込んで77才のこの歳になってもトゲが刺さったまま抜けないのだ。
深夜特急の目的地が西の果てポルトガルのロコ岬だった。

 旅を始めて2週間を過ぎると旅が日常生活のようになってしまっておれの心のトゲである深夜特急の影が消えかけてしまっていた。
原因は病院から処方されている高血圧の薬が行方不明になってしまった。
コロナの事件はおれを閉じ込めストレスで体重が6kgも増えてしまって高血圧とお友達になってしまっていた。
朝トレを繰り返して旅の企画時にはコロナ前の60kgまでに戻ってはいたがこの3日間薬を飲んでいなかったが問題ないと高をくくっていたが?
スーがLINEで薬を買って飲めという小さな事件ありも影響していたのだろう。
天気予報では昨夜ポルトガルの昨日の天気は雨模様とスマホ画面にでていたが 西の果てを忘れていることに気が付く 明後日にはモロッコのマラケシュ行きの航空券がまっているのだ。

 宿屋の朝飯を8時の一番乗りで食い 行くへ不明になった高血圧の薬を薬局に買いに行くと処方箋が必要と薬局の店員はスマホ翻訳で言い訳してとにかく購入し薬を飲んでメトロの電車に乗り込み鉄道駅に向かう。
時代は変わって今までの旅では「地球の歩き方」がバックパッカーの道案内だったが今やスマホのGoogleナビが道案内をしてくれる。
宿屋からメトロは何駅から何駅下車 歩いて2分で何駅から何分発列車に乗り何駅下車 歩いて3分バス乗り場から###行バスにて####降り 歩いて5分でロコ岬 とご丁寧に到着時間まで表示されるのだ。
 コロナで自宅待機している間におれのスマホも新しくなってアンドロイドも何度もアップ・グレードを繰り返していたがおれの頭は初期設定のままだったらしい。
表示している通りに思うように使えん 結局は聞きまくりで次の電車にたどり着き また聞きまくりでバス乗り場にたどり着くという情けなさだったが時代の波に何とか乗れた自信みたいなのがやっとできかかってきたような 老人には陸路国境を通過した時のような感激のような自信かな。

 あこがれのロコ岬は強風が吹き砂ぼこりが飛び交っていた。
曇り空から太陽の光が時おり差し込み大西洋を青く輝かせてはいたが白波がたちおれはウインドブレーカーを着込み大西洋を見ている。


電車に乗る時は▲VALID AQUIのタッチパネルに駅で購入した切符のQRコードを読ませるか カードをタッチする
 バスは乗る時だけカード(チケット)はタッチしなくてはいけない 降りるときなし
 メトロはゲートにあり降りるときもゲートを通過する時にタッチする
 フェリーもゲートあり


ポルトガルの列車 落書きだらけ


路線バスの運転手の脇にカードリーダー?タッチパネルがある 電車から路線バスに乗り換えロコ岬に向かう


ユーラシア大陸最西端 強風が吹くロコ岬


大西洋に白波が押し寄せる この先にアメリカ大陸があるのだ


ロコ岬までの道はワインディングロードであり道幅狭し 運転手のドライブテクニックは見事なり
日本なら一発運転手失格とPTAや老人会は騒ぎ出すだろう 人の命は地球より重いなんていっているうちに若者の自殺者は増え いったい誰が生きにくい日本を作っているのだろう 誰も音を立てない電車やバスの中 子供たちの会話もない世界 誰のための日本なのか
途中の中学校から乗車した子供たちこの揺れまくる車内でにぎやかなこと生き生きしてるね


レストランで飯を食う


おれはイワシの焼いたのが食いかかったが今はないというのでわからん奴 メニューもわからん適当にとジャガイモのスープが来た


スーパーで野イチゴとヨーグルトに薄切りハム(これ美味し)とビールで夜食 いつもひとり飯


トイレシャワーなしだが居心地はいい


各階に2つあるトイレとバス 使い終わると電気を消しドアを少し開けておくがルール(使っていないことがわかるように)

 4年ぶりのバックパッカー 時代が変わってることを肌で感じる 道行く人々も片手にスマホ
ヨーロッパにきて女性がへそ出しルックで通りをかっ歩している そのへそを眺め へそにもいろいろあるんだと感心している老人がいる